・初めて当エントリーを読まれる方は、亀田俊和 - Wikipediaの他、以下の「呉座勇一事件(呉座騒動)」に関する記事等の、ご一読をお勧め致します。
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※大変恐縮ながら、今回は諸事情から、拙note『法眼純也のカフカ的な『カイエ』』の記事を一部改変の末、転載させて頂きます。予めご了承下さい。
●はじめに 「完敗」に終わった呉座勇一氏の法廷闘争とは?
毎度恐縮ながら、当ブログ『亀田俊和検証委員会』及び拙著を既読の方々には周知の事実とはいえ、SNS及び『note』界隈(特に反オープンレターズの與那覇潤・喜多野土竜両氏等)では、未だに根強い「神話」の一つとして挙げられるのが……以下の、
・「オープンレターはキャンセルカルチャーだ!」
・「歴史学者・呉座勇一氏は、オープンレターのせいで、勤務先の日文研から処分を喰らい、解職に追い込まれたのだ!!」
……と言わんばかりの、根拠不明な「オープンレター=キャンセルカルチャー神話」かと考えられます。
が、この「オープンレター=キャンセルカルチャー神話」に関しては、(皮肉にも)当事者の呉座勇一氏ご本人が戦端を切った反オープンレターズの法廷闘争が「実質5連敗」、名実共に「全敗」に終わったことにより、
①オープンレターはキャンセルカルチャーでは無い。
②違法でも名誉毀損でも無い。
③呉座勇一が勤務先の日文研から喰らった処分との間で、因果関係は成立しない。
という司法判断が正式に確定し、現在に到っている固い事実については、拙『note』でも既述しております。
オープン・レターも日歴協声明もキャンセル・カルチャーではないことがここまではっきりしたにもかかわらず、いまだに呉座事件はキャンセル・カルチャーの文脈で語られる。キャンセル・カルチャーは現象としては存在しないのに、言説として流通していく。そういう新刊です。https://t.co/N9yks8PJxd https://t.co/4Q5RBydiqz
— 北守さん (@hokusyu1982) 2025年11月7日
そもそも、オープンレター雑語りの常連とも言うべき呉座勇一氏の盟友・亀田センセイ=自称「ネット右翼の代表格」HN【はむはむ】を中心としたSNS上の日本史クラスタ、前述の與那覇潤・喜多野土竜両氏らを筆頭とした反オープンレターズのお歴々は……本邦の司法から幾度と無く完全否定され、ネット上で突っ込まれても、およそ同じような話を壊れたテープレコーダーのように、繰り返しているのが実状かと思われます。
それも、日本版「キャンセル・カルチャー・パニック」とも言うべき反オープンレター騒動が2021年10月前後に勃発して以来、現在に至るまで実に5年近くにも渡って、です。
前置きが長くなって恐縮ですが、これ以上の「延焼」を少しでも防ぐためにも、拙著だけでなく、当ブログでも改めて「論より証拠」では無いですが、文字通り「完全敗北」に終わった呉座勇一氏の法廷闘争の結果と、それが齎した「オープンレター=キャンセルカルチャー神話」の崩壊の軌跡を追っていきたいです。
◎オープンレター関連の呉座勇一氏の法廷闘争(民事訴訟一覧)
①第一ラウンド【労働裁判】の場合(一審で「敗北的和解」)
・前史
2021年9月29日、呉座勇一氏は日文研(の運営元の人間文化研究機構)を京都地裁に提訴した「労働裁判」を皮切りに、法廷闘争を華々しくスタートさせました。
呉座氏の提訴は、当時、マスコミ等でも大々的に報じられ 、ネット上でも呉座・日本史界隈、反オープンレターズのお歴々を中心に大反響を呼んでいたのは、周知の通りです。
提訴後、呉座勇一氏ご自身もまた、公式ブログにて、以下のように「労働裁判」に臨むに当たっての意気込みを語っていました。
テニュアトラック制が政策的に推進され、若手研究者が最初からテニュア研究職に就くことが困難な現状に鑑みますと、いったんテニュア付与を認めたにもかかわらず恣意的にこれを撤回することが可能という前例ができてしまうことは、現在テニュアトラック期間中の研究者や求職中の後進に深刻な悪影響を与えます。世間の非難を避けるという保身のために、ただでさえ立場が不安定な若手研究者の研究環境をこれ以上悪化させることは、私の望むところではございません。
『呉座勇一のブログ』「訴訟について」(2021-11-02)

実際には、このように力強く断言していた以上、呉座氏は日文研への復職等 を断念するのが、筋であった筈です。
が、反オープンレターズの秘奥義「アンリミテッド・ブーメラン・ワークス」なのかは不明ですが、前言撤回と言わんばかりに、呉座氏ご本人も口を拭って「無かった」ことにしているような可能性も伺えるようです。
そもそも、呉座勇一氏の所属先の日文研では、呉座騒動の数ヶ月前、2020年10月8日付で、教職員のSNS利用等についてのガイドライン「国際日本文化研究センター教職員が個人でソーシャルメディアを利用する場合の注意点について」を定めており、公式HPでも確認できます。
・概略
原告 呉座勇一
被告 人間文化研究機構(※呉座勇一の所属先の日文研の運営元)
概要
・呉座勇一のテニュア准教授の地位確認。
・2021年10月1日 から、判決確定までの逸失利益 の補償。
・停職1ヵ月の懲戒処分の無効。
・訴訟費用の被告の全負担の以上の4点を主な争点とする。
結果
原告・呉座サイドの「敗北的和解」(実質敗訴)。
一審にて、2023年8月9日に「和解」成立。
・【労働裁判】「和解条項」(全文)
1 原告は、被告、国際日本文化研究センター(日文研)並びに被告及び日文研に所属する職員等に対して、原告がインターネット上に不適切な書き込みをして迷惑をかけたことについて謝罪する。
2 原告及び被告は、原告が構成研究員の地位にあること及び原告が別紙「原告の遵守事項」を遵守することを前提に以下の各期間において、被告が原告を各職名の地位に就ける予定であることを確認する。
令和5年11月1日から令和7年3月31日。助教、
令和7年4月1日以降 准教授(ただし、定年制が適用される教員としての身分を有するもの)3 原告は、別紙「原告の遵守事項」の遵守状況を、被告において原告の採用、更新、昇進及び在職中の処分にあり考慮することに異議を述べない。
4 原告は、被告に対し、本和解成立後速やかに労働組合による原告に関するインターネットを利用した情報発信を全て削除することを労働組合に申し入れており、労働組合から承諾を得ていることを確約する。
5 原告及び被告は、和解が成立した事実を除き、本件訴訟、和解の経緯・内容について第三者に口外しないことを相互に約束する。ただし、原告が令和5年10月1日以降、「被告は、和解条項所定の合意に基づき、原告を令和5年11月1日から、助教の地位に就ける予定である」と限度で公表することについては、被告は異議を述べない。
6 原告は、その余の請求をいずれも放棄する。
7 原告及び被告は、原告と被告との間には、本件に関し、本和解条項に定めるもののほか、何らかの債権債務もないことを相互に確認する。
8 訴訟費用は、各自の負担とする。
山口三尊『裁判ウォッチャー、さんそんチャンネル』「240405 呉座勇一対人間文化研究機構」(YouTubeチャンネル・限定公開)から※文字起こし
※因みに、上記の「和解条項」の「2」にあった別紙「原告の遵守事項」とは、以下の通りです。
(原告の遵守事項)
1 規則等の遵守
原告は、被告及び日文研が定める就業規則等の諸規則(令和2年10月8日付「国際日本文化研究センター教職員が個人でソーシャルメディアを利用する場合の注意点について」で定められた事項を含む)を遵守する。2 誹謗中傷記事の削除
原告は、被告及び日文研並びに教職員等を誹謗中傷するインターネット上の書き込みがある場合は、被告の申し入れにより、原告自身によるものは速やかに、労働組合等の第三者を介して発信したものは、当該第三者に削除を依頼し、その経過を被告及び日文研に報告する。3 ソーシャルメディアその他インターネットを利用した情報発信
原告は、原告がインターネット上に不適切な書き込みをしたことにより数々の問題を引き起こしたことを真摯に省み、引き続き、ソーシャルメディアその他インターネットを利用した私的な情報発信を自粛し、研究活動や業務遂行上の情報発信も必要最低限にとどめ、かつ私的な意見表明は最小限にとどめる。4 所内の労働環境・研究環境への十分な配慮
(1)原告は、教職員との会話、電話の録音及び所内における撮影を、正当な理由がない限り行わない。
(2)原告は、日文研が貸与した公用のパソコンに、学術・研究活動とは関係ない私的なデータをダウンロードしたり保存したりしない。5 カウンセリング
原告は、原告がインターネット上の不適切な書き込みをしたことにより種々の問題を引き起こしたことを真摯に省み、当面カウンセリングを継続するものとし、被告又は日文研から要請があった場合には、その状況について報告する。
山口三尊『裁判ウォッチャー、さんそんチャンネル』「240405 呉座勇一対人間文化研究機構」(YouTubeチャンネル・限定公開)から※文字起こし
【解説】
……このように、呉座勇一氏は、労働裁判の「敗北的和解」に基づいて、日文研でのテニュア回復と引き換えに、在職中は日文研サイドから事実上の監視下に置かれ、SNS等のインターネット利用にも大幅な制限が課せられること。
「ジェンダー・フェミニズムに関するカウンセリング」 を継続することなども、名実共に「確約」させられたのでした。
しかし、特筆すべきは、やはり、「和解条項」の「1」でしょう。
1 原告は、被告、国際日本文化研究センター(日文研)並びに被告及び日文研に所属する職員等に対して、原告がインターネット上に不適切な書き込みをして迷惑をかけたことについて謝罪する。
……とあり、呉座勇一氏が日文研及び人間文化研究機構、そして全職員に対して呉座騒動の非や責任等を認めて「謝罪」することまで、わざわざ盛り込まれているからです。
とどのつまり、呉座氏は屈辱的な「土下座外交」じみた仕打ちに加えて、日文研を退官するまでのネット利用、とりわけネットを通じた情報発信等にまで何重にも足枷を嵌められたようなものであり、想像以上に過酷な内容であったことが一目瞭然かと思われます。
というか、「和解」という名の、日文研から呉座氏ご本人への「厳命」でしょう、これは……!?
また、2025年4月1日付で呉座氏は晴れて准教授昇格とはなったものの、今後、日文研内で「教授」にまで昇進できても、呉座騒動で喰らった懲戒処分が裁判(「敗北的和解」)を通じて正式に確定してしまった以上、退官後に「名誉教授」の称号を得るのは絶対不可能……とまでは言いませんが、絶望的かと考えられます。
遺憾ながら、教授会で推薦されないのは、ほぼ確実だからです。
退官直前に不祥事が発覚し、2024年2月20日付で勤務先から懲戒処分(戒告)を受けた宮台真司のケース等は、その典型かと思われます。
②第二ラウンド【オープンレター訴訟】の場合(一審で「敗北的和解」)
・前史
2022年2月17日付で呉座勇一氏からオープンレターの削除及び謝罪、並びに損害賠償計100万円の支払い等を求める通知書を受け取ったオープンレター関係者らは、同年2月25日に債務不存在確認訴訟 を東京地裁に起こしました。
これに対し、呉座サイドも2022年5月6日に反訴して、同月13日から公判の火蓋が切られたのでした。
・概略
反訴原告 呉座勇一
反訴被告 隠岐さや香 他(オープンレター差出人ら)
概要
・反訴被告側は、オープンレターの削除及び謝罪広告を掲載せよ。
・損害賠償計100万円も支払え。
結果
反訴原告・呉座サイドの「敗北的和解」(実質敗訴)。
一審にて、2023年9月27日に「和解」成立。
・【オープンレター訴訟】「和解条項」(全文)
1 反訴原告、反訴被告ら及び補助参加人(以下「本件当事者」という。)は、別紙添付「オープンレター」が、反訴原告による利害関係人に対する誹謗中傷や、反訴原告による他の 女性に対する性差別的な発言の原因について、インターネットにはびこる差別的なコミュニケーション様式の影響が強いと分析した上で、中傷や差別的言動を生み出す文化から距離を取ることが大切であると広く呼びかけたものであることを確認する。
2 反訴原告は、過去数年にわたって利害関係人に誹謗中傷を続けていたことを認め、本訴において訴状別紙①②⑧に関連して行った主張を撤回する。
3 本件当事者は、別紙「オープンレター」は、反訴原告の投稿及び「いいね」を押した行為について、「それ(歴史修正主義)に同調するかのような振る舞いをしていた」と表現し、その行動の持つ社会的意味や問題性について論評したものであって、反訴原告を 「歴史修正主義者」であると断定したものではないこと 、反訴原告が「歴史修正主義に 同調する振る舞いをした」とまで断定したものでもないことを確認する。
4 反訴原告は、その余の請求をいずれも放棄する。
5 本件当事者は、反訴原告及び反訴被告ら並びに反訴原告と補助参加人との間には、本和解条項に定めるもののほかに何らの債権債務がないことを相互に確認する。
6 訴訟費用及び和解費用は、各自の負担とする。
以上
【解説】
呉座氏サイドが「敗北的和解」に踏み切った経緯については、反訴被告側の代理人弁護士の神原元氏が、上記の『note』記事でも次のように説明しています。
本日、呉座勇一氏(歴史学者)がオープンレター差出人らに名誉毀損に基づく損害賠償請求をした訴訟について、呉座氏が、オープンレターが名誉毀損で違法であるとの主張を撤回し和解を申し出ましたので、オープンレター側は和解に応じることとしました。
名誉毀損で違法であるとの主張が撤回されることは極めて異例であり、我々は、これを勝利和解であると評価し、ご報告する次第です。
オープンレター訴訟、勝利和解のお知らせ
……私事で恐縮ながら、自分も幾つかの労働裁判の支援活動の傍ら、名誉毀損訴訟も何件か見聞してきた経験もあり、この点では神原氏の主張には、ほぼ全面的に同意せざるを得ません。
そもそも、裁判で自分たちの「主張」の撤回と引き換えに、係争相手に対して「和解」を申し入れた時点で「敗北」を認めたのも同然というか、ハッキリ言いますが「完敗」です。
何よりも、この呉座勇一氏の「敗北的和解」(実質敗訴)によって、上述の
①オープンレターはキャンセルカルチャーでは無い。
②違法でも名誉毀損でも無い。
③呉座勇一が勤務先の日文研から喰らった処分との間で、因果関係は成立しない。
……という司法判断が、完全に確定してしまったというのが、大きいでしょう。
この時点で、反オープンレターズの法廷闘争は勝負あった、と言っても過言では無かったのです。
不謹慎ながら、ボクシングに擬えると、とどのつまり、呉座勇一氏のTKO負けと言っても過言では無い「実質敗訴」でした。
翻って、呉座・日本史界隈、反オープンレターズの間では、オープンレター訴訟についても、呉座サイドの圧倒的有利との下馬評だったようですが……!?
念のために言うと、自分は神原元の信奉者でも無ければ、支持者でもありません。というか、面識も無いですが。
③第三ラウンド【対日本歴史学協会訴訟】の場合……「3連敗」
・前史
2022年4月7日、呉座勇一氏は、労働裁判、オープンレター訴訟に続くような形で、日本歴史学協会を名誉毀損等で提訴に踏み切りました。ある意味、法廷闘争の第三幕でした。
これはオープンレターに先駆けて2021年4月2日、日歴教が公式HPに「歴史研究者による深刻なハラスメント行為を憂慮し、再発防止に向けて取り組みます(声明)」と題し、呉座騒動を憂慮した声明を公開したことに端を発しております。
日歴協は声明の中で、名指しでは無いものの、
今般、日本中世史を専攻する男性研究者による、ソーシャルメディア(SNS)を通じた、女性をはじめ、あらゆる社会的弱者に対する、長年の性差別・ハラスメント行為が広く知られることとなりました。この行為は、「ハラスメント防止宣言」の趣旨と精神に大きく背くものです。歴史学系学会の連合組織として、日本歴史学協会は、この事態を深刻に受け止め、強い危機感をいだいています。
「歴史研究者による深刻なハラスメント行為を憂慮し、再発防止に向けて取り組みます(声明)」
……と述べていたのでした。
この声明文を巡って呉座勇一氏ご本人は、とりわけ「今般、日本中世史を専攻する男性研究者による、ソーシャルメディア(SNS)を通じた、女性をはじめ、あらゆる社会的弱者に対する、長年の性差別・ハラスメント行為が広く知られることとなりました。」の一節を自身への名誉毀損と問題視したようであり、日歴協を相手取って裁判を起こしたのが、対日本歴史学協会訴訟の大まかな経緯です。
・概略
原告 呉座勇一
被告 日本歴史学協会
概要
・被告は、原告に対し、110万円及びこれに対する2021年4月2日から支払済みまで年3%の割合による金員を支払え。
・被告は、原告に対し、別紙1記載の謝罪広告を別紙2記載の掲載要領によって、被告が運用する同掲載要領「1 掲載場所」記載のウェブサイトに掲載せよ 。
結果
一審判決 原告・呉座サイドの全面敗訴(2024年5月20日)
二審判決 同 控訴棄却( 同年11月13日)
最高裁決定 同 上告棄却(2025年11月6日)
【解説】
結果論であれ、この一審、二審、最高裁での呉座サイドのストレート負けによって、「呉座勇一事件」(呉座騒動)で露呈した、呉座勇一氏ご本人のX垢の投稿こそ、やはり、
「今般、日本中世史を専攻する男性研究者による、ソーシャルメディア(SNS)を通じた、女性をはじめ、あらゆる社会的弱者に対する、長年の性差別・ハラスメント行為」
……だと、事実上、司法から認定されてしまったのも同然の可能性もあるかと考えられるのです。
【結びに代えて】
以上のように、くどいようですが、呉座勇一氏の足掛け約4年に及んだ法廷闘争は「実質5連敗」という名実共に「全敗」、読んで字の如く「完敗」によって、あっけなく幕を閉じたのでした。
何度でも言いますが、これによって、下記の
①オープンレターはキャンセルカルチャーでは無い。
②違法でも名誉毀損でも無い。
③呉座勇一が勤務先の日文研から喰らった処分との間で、因果関係は成立しない。
……という法的判断が完全に確定し、現在に至っています。






























































































































































































































































































































































































































